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「クイーン・コング」
〜ロンドン・自虐の詩〜

映画界最大の祭典、アカデミー賞も無事終わりましたなぁ・・・・・。今年もいろんなドラマがありました。つうわけで、今回はアカデミーについてとっくり語ると思ったら大間違いじゃ〜〜〜っ!!!今回は、アカデミーのアの字の一文字すらかすりもしない「クイーン・コング」についででーすっ!!残念でした−!!(?)ようは、「キング・コング」のパロディー映画なんですけど、どうもこれイギリスで作られたらしく、壮絶なまでに本家本元を皮肉った逆セクハラ映画。しかも、本家本元といい勝負で内容がスカスカ。


まあ、一応かいつまんでストーリーを説明するとですねぇ、アナーキーでサディストの女性映画かんとく(何故かその映画クルースタッフが全員女性)がパッキンのパープー兄ちゃんをだまくらかして、一服もったあげく、無理やり、自分の彼氏兼主演男優にして、TVとかアイロンとかもある未開の王国ゴンガで、映画撮影してたら、そのパープー兄ちゃんは、王国を守るアマゾネス軍団の守護神、クイーン・コングの貢ぎ物にされ、だけど、最後には、パープー兄ちゃんとクイーン・コングは、真実の愛に目覚める−と、なんか書いててわけわかんなくなってきたけど、そのまんまっちゃそのまんまなんだよなあ。いや、マジで。とにかく、シニカルとかブラックを通り越して、自虐ムードが全編にただよっとりまして、ことあるごとにパープー兄ちゃんが「なんの意味があるの?」だの「ギャラと弁当が出るからいいよね」だの連呼しまくる。これは、役者とスタッフの魂の叫び(本音トーク)なのか、それとも、吹きかえやってる広川太一郎氏の個人的な感想なんだろうか、本当にわけわかんねぇよ。実は、この映画は長らく封印されてたらしく、その理由が、本家本元の関係者がこれを見て、烈火のごとく怒ったという話。そらぁ、まぁ、ここまで皮肉られちゃぁ、立つ瀬ないもんなぁ、圧力でもなんでもかけて、封印したかったんでしょうなぁ。ただ同じパロディー映画でも、チ(ピー)ポ出してさぁ笑えと言わんばかりの「最終絶叫計画」なんかにくらべれば、「クイーン・コング」の連中は、はるかに志の高いやつらなんじゃないかと思う。(最低ラインの勝負であることには違いないんだけど)あの時代(70年代)にこの逆セクハラといい、ビルに斜めにつっこんでった旅客機のシーンといい、先見の明は、あった。きっと、この連中は、早すぎた英雄だったのかもしれない・・・・・。(それは言いすぎ)


ちなみに、レンタルで出てるんで、見るなら、吹きかえ版を勧めます。広川太一郎氏の演技なんだか、ナレーションなんだか、判別のつかないあの感じが、映画の世界観と妙にマッチしていて、つきぬけるようなエグ味があります。

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