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「コン・エアー
〜この道はいつかきた道〜

あれはいつの日だったろう・・・・。

連日の芝居の稽古の後の久しぶりなフリーの日。

つらい現実からグッド・バイしたくてドリームしようと決めて、

レンタルビデオ屋に行った日・・・。

1本の映画が目に入る。

その名は、「コン・エアー」

「あー、これ見てなかったよなぁ、ニコラス・ケイジと後、他誰が出てるんだっけ?」

そう思いながら、パッケージを手に取り、ひっくり返す。
そして、そこに書いてあるキャスティングを見て

・・・・・私は、そっと、それを棚に戻した。

書かれていた役者の名前は、

「ニコラス・ケイジ」
「ジョン・キューザック」
「ジョン・マルコビッチ」
「スティーブン・ブシェーミ」

これを"豪華キャストととるか、"濃い"ととるかは、人による。私は後者の"濃い"。

たしかにすごいキャスト。当代きっての個性アンド演技派をここまで集めるなんてホント、
感動的だよ。だけど・・・だけどねっ
「物には限度ちゅうもんがあるわあぁっっ!!!」(心の大絶叫)         

この際、自分のことはたな上げして、言わせてもらうと、

ただでさえ、連日、個性の強い方々とばっか、顔を合わせてるときである。

せめて、銀幕の世界は、違うとこに行きたい。

4人とも好きな役者だけど、好きだからって牛丼の中にカルピスをいれたりはしない。

だから、だから・・・!!(そっとたなにもどす)

後に、元気な時にTV放映された「コン・エアー」を見た私は、
なんだおもしろいじゃんと思い、機会があったら、
ちゃんとしたやつ(字幕スーパーのこと)を借りてみようと決意した。

んで、先日その機会があり、ちゃんとしたやつを見たわけである。

そこにあったのは、濃さ故の拒絶ではなく、映画としてのおもしろさでもなく、

ただ、ただ、「なつかしい」という感情。
この道はいつか来た道。デジャ・ヴュ。

そう、ここんとこ、フリーの日が続き、ほとんど劇団員に会ってない。

「コン・エアー」の連中があんな顔、こんな顔する中、走馬燈のようによぎっていく、

立見席男優達のあんな顔、こんな顔・・・。

「映画は生き物、同じ映画を100回見ても、
違った顔でむかえてくれる。
100の感情でもって答えてくれる」

どっかの本に書いてあった言葉だが、それを想うと同時に、つくづく、
人間て勝手な生き物とも思ったわけである。

追記:しかし、ケイジもキューザックもマルコビッチもブシェーミも個人個人なら、
そう、なんてことないのに4人集まると、なんでああ濃い感じがするんだろう。

やっぱ、個性派の宿命なのかなぁ、演技派のサガなのかなぁ。

もしかしたら「混ぜたら危ない洗剤」ってあんな感じなのかなぁ。(大変失礼)



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